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臭い仲

大学時代。

 

ある研究室の一室に、一組の男女がいた。

 

2人は、固い絆で結ばれていた。

 

誰一人として、2人の間に割って入ることは

できなかった。

 

2人は、誰もが認める【ベスト・コンビ】だった。

 

 

 

2人は、研究室の中の小部屋を与えられ、

日夜、そこで過ごしていた。

 

他のメンバーは、用事のあるときだけ

2人の部屋をノックした。

 

そして、普段は、なるべく2人の部屋には

近寄らない、というのが皆の【不文律】だった。

 

そう。

 

【暗黙の了解】だったのだ。

 

 

 

2人の間に【愛】があったのかどうかは

知らない。

 

でも、確かに、固い絆があった。

 

【においという。

 

 

 

男は、6ヶ月風呂に入っていなかった。

 

女も、3ヶ月は風呂に入っていなかった。

 

研究室の小部屋には2人の体臭が充満し、

2人の頭には、白いフケが網のように張っていた。

 

女の住む下宿は、光熱費滞納で電気もガスも

止められていた。

 

 

彼らは、文字通りの【臭い仲】だったのだ。

 

 

 

しかし、驚くなかれ。

 

これには後日談があるのだ。

 

大学を卒業して何年か経ったある日のこと。

 

風の便りに、臭い女の方が結婚するという

ニュースが入ってきた。

 

お相手は、旧家の御曹司。

 

こんなこともあるんだなぁ、と、びっくりするやら

呆れるやら。

 

 

 

理系の学生にとって、大学時代は、いわば

ブラック・ボックス。

 

臭いの汚いの何でもござれ。

 

女を捨てるヤツもいる。

 

でも、社会人になったら、華麗に変身・・・

したのかどうかは知らないけど、

 

ま、こういうこともある、ってことで。

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