どうにもだらしない、K大卒のA。
彼は、一度も掃除をしたことがなかった。
彼の机は埃まみれ。
聞くところによると、彼の部屋には丸いワタぼこリが
転がっていて、彼が気が向いたときに、それをつまんで
ゴミ箱に捨てる、という具合だったらしい。
そんな彼にも春が来た。
お見合いでかわいいお嫁さんをもらったのだ。
2人はラブラブで、まるで、おままごとのような感じの
カップルだった。
ある日の午前、職場の同僚がAの家の前を通った。
Aと奥さんの2人が、塀のところに出ていて、
郵便受けを付けようとしていた。
釘を打ち付けているのだが、
Aがトントン(←ちょんちょん?)と金槌で叩いては、
「あっ、曲がった♪」
と言って、やり直していたらしい。
それはそれは、仲睦まじかったそうな。
そして、同じ日の午後。
同じ同僚がAの家の前を通ったところ・・・
「とんとん♪」
「あっ、曲がった♪」
「うふ♪」
なんて言いながら、まだ釘を打ってたらしい。
次の日、会社でそいつ(同僚)は言った。
『いや、別にいいんだけどな、本人達が楽しければ。
別にいいんだけどな。
でも・・・でも・・・なんか・・・いや、いいんだけどな。』
顔が怒っていた。